KIWIの巻頭語

JANUARY1995

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●テレビで、動物達の生態を放送しています。ライオンが数頭、群れから離れ、一頭だけのしかも弱ったバッファローに飛びかかります。この無残な映像を背後に「ここにも、生存競争の厳しさがあります」と語ります。
●うっかりしていますと「なるほど」と聞きます。しかし、注意深い時は「違うのでは!」と反発します。その場面を『生存競争』として位置づけて、観ているのは人間、いや貴方ではないか、と。
●言葉が、いかにも『常識的な常識』をつくっていき、私達は惑わされます。『生存競争』という言葉を人間に置き換え、やはり生きていくということは厳しい競争なのだ、と今までの知識を再確認していきます。
●生存競争を私達もやっているのだから、せめて子供には勝利させてやらないと、という親心から受験勉強などに駆り立てていきます。スポーツをはじめ多くのものは『競争』が前提で、しかもこの「勝った負けた」と言う結果に一喜一憂し、そのために努力することが人間の喜びであると、誰もが疑わない前提条件としています。しかし、その喜びは、本来の喜びではなく、もっともっと、と言う途方もない欲望に他ありません。行き着く先のない欲望です。今に満足してはいけないという仕組みです。
●私達は、巧みに動かされています。誰もが、ロボットのように感情を押さえ、反発しないよう。親は美徳のごとく子供に躾を強要します。躾とは人に嫌われないように、感情を押さえる訓練に他ありませんから。
●本来、人間の奥深い欲求は、『欲望』とは疎遠なところにあります。
               池田好隆

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