GS-1スピーカー |
地元の市民ホールでガイアシンフォニー第3番の無料上映会がありまし た。お誘いした何人かの方から、「素晴らしかった、涙が止まらなかっ
た」との報告を戴きました。実はこの日、会場にはある仕掛が据えられて いました。これからのお話は何年かの経過がありますので、細かい点で記 憶違いがあればお許し下さい。
生駒の学研都市に先端科学研究所というエリアがあり、そこに(株)タイ ムドメインがあります。社長はYさんという日本一の音響学者です(世界一?)。 彼の創ったオーディオシステムは演奏者の「氣」を再生することが出来ます。原理は難しそうなので詳しくは聞いていないのですが、従来見過ごされて いた装置内の時間の“ずれ”というものに着目する事により、画期的なもの が誕生したと言うことです。 其処に至るまでにYさんは日本中の有名なマニアの再生装置をことごとく 聴いて回られました。その中で既に故人となられたTと言う方は今から3 0年以上前に数千万円を投じて家全体を巨大なスピーカーにされました。 ところがそこから出てきた音は、大型トラック程のピアノの横で巨人のプ リマドンナが唄っていると言う代物だったそうです。 音域別に分かれた スピーカー間の時間のずれ(位相のずれ)が大きければ大きいほど出てく る音は現実のものから離れていきます。お金を掛けた大形のものほどひど い音が出ているのかもしれません。4年程前最初に研究室を訪問した時に、クリフォードブラウンが40年 以上前に吹き込んだ「スタディ・イン・ブラウン」というLPを持参しました。最初に、色々なCDを聴かせていただいたのですが正直言ってもう一つ ピンときませんでした。ハンダ付けの具合で現在一番良い音の出るアンプ が使えないので、二番手のを使っているとのことでした。 そこでLPをかけていただけないかとお願いしました。お忙しい時だったよう ですが、こちらも中学生の頃からステレオ装置の組み立てを趣味にし、最終 段階ではプリアンプに3台のメインアンプを繋ぎ、天井から吊り下げた巨大な ホーン型スピーカーを鳴らしていたマニアなので引き下がるわけにはいきま せん。Yさんは厄介な奴が来たと言う感じでしたが、レコードプレーヤーの 接続をし、レコードの出荷時に塗布された保護膜を特殊な溶液で拭き取って、 針を下ろした瞬間にターンテーブルのベルトがプツリと切れてしまいました。 それから20分近くかかって、ご機嫌も殆どプツンと切れかけ状態でなん とか新しいベルトに張り替え、B面の「ジョージのジレンマ」に針が下ろされた 途端にひっくりかえってしまいました。クリフォードブラウンが本当に目の前に 現れたのです。頭が空白状態になって喜んでいますと、ニヤニヤしながら側に来て 「どうです、ええでしょう」と言われました。ここに来て始めてこの装置 の凄さと、Yさんとその装置が本物であることに気付きました。お会いし た場所は大阪にある某大手メーカーの研究室で、紹介してくれたのは大阪 ルンルの会員で一緒にサイババツアーに行った友人です。この時、Yさん は不思議なお話をしてくださいました。 研究室のテーブルにパソコンが置いてあって、インターネットで絶えず 情報が入ってくるようになっているのですが、ある日見慣れない手帳が そのテーブルの上に乗っていたそうです。誰に聞いても知らないと言うの で、手がかりを求めてページを繰ってみるとサイババさんのところに行く 方法が詳しく記述されていました。それを見たYさんは、そこが普通の 学者と違うところなのでしょうが、会いに行けと言うことだと判断されたの です。インドで体験された事を、その時話されたようですが記憶の中に 浮かんできません。 次にお会いしたのは昨年11月、佐賀のDさん(京都ルンル立上げの きっかけをつくった)を玉置神社に案内した帰りに彼女から「Y先生のところ
に寄ろうよ」と誘われた時です。奈良の南部にあるご自宅の近くで、お薦め のネギ焼きを食べてビールを飲みました。 さて、ここからが天国なのです「もし先生に独立されるお気持があれば 私が全ての資金援助をいたします」! 研究の必要上大きな音を出すので近くの会社から苦情が来て、音の洩 れないリスニングルームが欲しいなと思えば、公的な補助金が出たので 何か必要があれば申し出るようにと連絡が来たり。頭の回転が早く、感性 が素晴らしい美しい秘書の方も見つかるし。まあ、これは天国ですね。この時点でスポンサーになったのが誰なのか、聞かずじまいでした。 それから、一年近く経ってガイアシンフォニー上映会の案内を入手しま した。パンフレットの裏を見てあれ!と思いました。協力タイムドメインオー ディオリサーチ(アスキー総合研究所オーディオラボ)と印刷されている のです。それでは、スポンサーと言うのはアスキーで、天国の提案をした のはパソコン界の雄、N氏だったのか!そして、今回の上映会のサウンド はGSー1で聴けるのだ!!ジャーン大感激!! 上映前にロビーで秘書のTさんから、先生はGSー1のセッティングに疲れ て、いま楽屋で寝ているんですよと告げられました。 これは期待ができそう だと会場に入る前からルン・ル気分です。そして期待以上に音も映画も素晴 らしく、涙がポロポロ流れて心がピカピカになりました。映画が終って、会場の 後ろに立っておられたYさんもピカピカ輝いて見えました。 それから間もなく、アスキーの研究機関という立場から(株)タイムドメイン と言う会社として独立し、社長はYさん、会長がN氏と言う事になりましたと、ご挨拶の葉書を戴きました。ちなみに先生のシステムはGS−1以外のスピ ーカでも鳴らすことができて、コンパクトな形で入手可能です。佐賀には既に 数台行っており毎日素敵な声で唄っているようです。 1997年11月 上記の文章をレポートしてから状況は大きく変りました。 アスキーの N氏についてはご存知のとおりです。後ろ盾が無くなってから、Yさんの閃
きはさらに凄くなったようで、今やそのスピーカは常識の枠を飛び越えて しまいました。ステンレスパイプの上に本当に小さなフルレンジスピー カーが一個、ポンと乗っかっているだけです。アンプも直流12Vで稼動
する掌に乗るようなサイズです。そしてその音は、本当に雷が鳴り、茶碗 が割れ、美空ひばりが生き返って「ひ〜と〜り酒場で〜」と歌い始めるの
です。Yさんがマイクロソフトのビルゲイツにその音を聞かせたところ、 数千万円かけた再生装置よりも凄いと脱帽したそうです。富士通夏モデル
のデスクトップタイプに、タイムドメイン方式のスピーカーが付いたもの が出ていますが、メーカーがYさんの意図通り作ったかどうか、十分に性
能が発揮できるような使い方をユーザーが出来るのかどうか、については 何ともいえません。 |