ガイアシンフォ
ニーとGSー1

1997年11月

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GS-1スピーカー画像
GS-1スピーカー
 地元の市民ホールでガイアシンフォニー第3番の無料上映会がありまし た。お誘いした何人かの方から、「素晴らしかった、涙が止まらなかっ た」との報告を戴きました。実はこの日、会場にはある仕掛が据えられて いました。これからのお話は何年かの経過がありますので、細かい点で記 憶違いがあればお許し下さい。  

 生駒の学研都市に先端科学研究所というエリアがあり、そこに(株)タイ ムドメインがあります。社長はYさんという日本一の音響学者です(世界一?)。 彼の創ったオーディオシステムは演奏者の「氣」を再生することが出来ます。原理は難しそうなので詳しくは聞いていないのですが、従来見過ごされて いた装置内の時間の“ずれ”というものに着目する事により、画期的なもの が誕生したと言うことです。

 其処に至るまでにYさんは日本中の有名なマニアの再生装置をことごとく 聴いて回られました。その中で既に故人となられたTと言う方は今から3 0年以上前に数千万円を投じて家全体を巨大なスピーカーにされました。 ところがそこから出てきた音は、大型トラック程のピアノの横で巨人のプ リマドンナが唄っていると言う代物だったそうです。 音域別に分かれた スピーカー間の時間のずれ(位相のずれ)が大きければ大きいほど出てく る音は現実のものから離れていきます。お金を掛けた大形のものほどひど い音が出ているのかもしれません。  

 4年程前最初に研究室を訪問した時に、クリフォードブラウンが40年 以上前に吹き込んだ「スタディ・イン・ブラウン」というLPを持参しました。最初に、色々なCDを聴かせていただいたのですが正直言ってもう一つ ピンときませんでした。ハンダ付けの具合で現在一番良い音の出るアンプ が使えないので、二番手のを使っているとのことでした。

 そこでLPをかけていただけないかとお願いしました。お忙しい時だったよう ですが、こちらも中学生の頃からステレオ装置の組み立てを趣味にし、最終 段階ではプリアンプに3台のメインアンプを繋ぎ、天井から吊り下げた巨大な ホーン型スピーカーを鳴らしていたマニアなので引き下がるわけにはいきま せん。Yさんは厄介な奴が来たと言う感じでしたが、レコードプレーヤーの 接続をし、レコードの出荷時に塗布された保護膜を特殊な溶液で拭き取って、 針を下ろした瞬間にターンテーブルのベルトがプツリと切れてしまいました。 それから20分近くかかって、ご機嫌も殆どプツンと切れかけ状態でなん とか新しいベルトに張り替え、B面の「ジョージのジレンマ」に針が下ろされた 途端にひっくりかえってしまいました。クリフォードブラウンが本当に目の前に 現れたのです。  

 頭が空白状態になって喜んでいますと、ニヤニヤしながら側に来て 「どうです、ええでしょう」と言われました。ここに来て始めてこの装置 の凄さと、Yさんとその装置が本物であることに気付きました。お会いし た場所は大阪にある某大手メーカーの研究室で、紹介してくれたのは大阪 ルンルの会員で一緒にサイババツアーに行った友人です。この時、Yさん は不思議なお話をしてくださいました。

  研究室のテーブルにパソコンが置いてあって、インターネットで絶えず 情報が入ってくるようになっているのですが、ある日見慣れない手帳が そのテーブルの上に乗っていたそうです。誰に聞いても知らないと言うの で、手がかりを求めてページを繰ってみるとサイババさんのところに行く 方法が詳しく記述されていました。それを見たYさんは、そこが普通の 学者と違うところなのでしょうが、会いに行けと言うことだと判断されたの です。インドで体験された事を、その時話されたようですが記憶の中に 浮かんできません。  

 次にお会いしたのは昨年11月、佐賀のDさん(京都ルンル立上げの きっかけをつくった)を玉置神社に案内した帰りに彼女から「Y先生のところ に寄ろうよ」と誘われた時です。奈良の南部にあるご自宅の近くで、お薦め のネギ焼きを食べてビールを飲みました。
  お会いしてまず驚いたのは、10才以上若返っている事でした。   ものすごくリラックスして生きておられる感じで、この時にも面白いお話 をお聞きしました。「僕は最近、一日で地獄と天国を体験させられた」、 地獄と言うのは勤務しておられた某メーカが、Yさんの研究していることは、 会社にとって何の利益も生み出さない無駄なことだと判断して、研究室へ の即日出入り禁止を申し渡した時のことです。その時は、サイババさんは 一体何をしてくれたのだろうと怨んだそうです。

  すでにGS−1と言うスピーカーを開発されていて、欧米諸国では世界一 のスピーカーと評価を受けていたにも関わらず、そのような目に遭ったから です。 その性能を最大限に生かすアンプの開発にもようやくめどが付い た矢先なのです。そして、申し渡された日はヨーロッパで活躍している日 本人プリマドンナがGSー1の評判を聞きつけて、是非聴かせてほしいと いうので約束した当日だったのです。こみ上げてくる悔しさを噛みしめな がら、この様な事情なので訪問客が来ている時間だけ部屋を使わせて欲し いと許可をとられたそうです。訪問はプリマドンナに3、4人友人がつい てきました。全員大感激で、是非先生にご馳走したいということなので、 うさばらしになると思いそのまま出かけました。宴会の席上、一人の男性 がある提案を持ちかけました。  

 さて、ここからが天国なのです「もし先生に独立されるお気持があれば 私が全ての資金援助をいたします」!
 やっぱりサイババさんは見ていてくれた・・・・先生に断わる理由はあり< ません。それからは、全てが何かの大きな流れに乗ったような展開だった そうです。現在会社がある所は、学研都市の中でも最も素敵なエリアです。奇麗で広くて既に21世紀が始まったような雰囲気です。周りにはいくつ かの会社が入っているのですが、そこでは21世紀に必要となるテクノロ ジーの研究がされているとのことです。たとえば、空間から物質を創り出 すと言う!!先進的な大メーカーが既にこの様な研究を始めているのです。

 此処に入る時も色々な偶然が重なって理想以上の立地条件を供えた この施設が見つかったそうです。必要な研究資材やパソコンは、辞めた 某メーカーにとっては邪魔になるだけなのでそのまま引き取ることが出来 ました。
 研究の必要上大きな音を出すので近くの会社から苦情が来て、音の洩 れないリスニングルームが欲しいなと思えば、公的な補助金が出たので 何か必要があれば申し出るようにと連絡が来たり。頭の回転が早く、感性 が素晴らしい美しい秘書の方も見つかるし。まあ、これは天国ですね。この時点でスポンサーになったのが誰なのか、聞かずじまいでした。   それから、一年近く経ってガイアシンフォニー上映会の案内を入手しま した。パンフレットの裏を見てあれ!と思いました。協力タイムドメインオー ディオリサーチ(アスキー総合研究所オーディオラボ)と印刷されている のです。それでは、スポンサーと言うのはアスキーで、天国の提案をした のはパソコン界の雄、N氏だったのか!そして、今回の上映会のサウンド はGSー1で聴けるのだ!!ジャーン大感激!!  

 上映前にロビーで秘書のTさんから、先生はGSー1のセッティングに疲れ て、いま楽屋で寝ているんですよと告げられました。 これは期待ができそう だと会場に入る前からルン・ル気分です。そして期待以上に音も映画も素晴 らしく、涙がポロポロ流れて心がピカピカになりました。映画が終って、会場の 後ろに立っておられたYさんもピカピカ輝いて見えました。

  それから間もなく、アスキーの研究機関という立場から(株)タイムドメイン と言う会社として独立し、社長はYさん、会長がN氏と言う事になりましたと、ご挨拶の葉書を戴きました。ちなみに先生のシステムはGS−1以外のスピ ーカでも鳴らすことができて、コンパクトな形で入手可能です。佐賀には既に 数台行っており毎日素敵な声で唄っているようです。  1997年11月 

 上記の文章をレポートしてから状況は大きく変りました。  アスキーの N氏についてはご存知のとおりです。後ろ盾が無くなってから、Yさんの閃 きはさらに凄くなったようで、今やそのスピーカは常識の枠を飛び越えて しまいました。ステンレスパイプの上に本当に小さなフルレンジスピー カーが一個、ポンと乗っかっているだけです。アンプも直流12Vで稼動 する掌に乗るようなサイズです。そしてその音は、本当に雷が鳴り、茶碗 が割れ、美空ひばりが生き返って「ひ〜と〜り酒場で〜」と歌い始めるの です。Yさんがマイクロソフトのビルゲイツにその音を聞かせたところ、 数千万円かけた再生装置よりも凄いと脱帽したそうです。富士通夏モデル のデスクトップタイプに、タイムドメイン方式のスピーカーが付いたもの が出ていますが、メーカーがYさんの意図通り作ったかどうか、十分に性 能が発揮できるような使い方をユーザーが出来るのかどうか、については 何ともいえません。
2000年6月


タイムドメインスピーカー
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タイムドメインスピー
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