微風とすかいぶるう

微風がすこしあった。
すかいぶるうの空の下に
校庭の枯葉を少し動かして
微風がすこしあった。
僕は思った
ここにも微風があるならば
僕の好きなあの人の
髪の毛にもそっとふれているだろうと
ほんのり化粧した娘のように
微風がすこしあった。

昭和四十年四月作品

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