いであ哀歌

かなしい、かなしい、ぼくの孤独な
いであ
うれしい、うれしい、ぼくの狂った
いであ
祭りのおはやしにのったぼくのいであ
北風に誘惑されてそっと出ていった
ぼくの狂ったいであ
ぼくの悲しいいであ
ぼくは廃人で
都は廃虚
かなしい、かなしい、ぼくの陰気な
いであ
村の娘のほおをそっとかすめただけで
狂ってしまったぼくのいであ
ぼくは廃虚で
都は廃人

昭和四十年十月作品

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