いのちと星の歌

人間って死ぬものなのに
どうして死ぬんだろうと
また、つまらなく思ってみたりするのです
「あと三年もてばいいほうですよ」と
医者に言われたおじさんは
毎朝毎晩、せっせ、せっせと
九竜虫を飲んでいるのです
ああ、生きものはみんな可哀相です。
おじさんが死んだら
星はどこへ出るのだろうと
毎晩空をながめる事にしています

昭和四十年十二月作品

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