表紙







選評 寺山修司
宮内黙さん。「もくさん」とよむのでしようか?この詩には「母さん」への恋ごころの ようなものがえがかれています。これは、おそろしい妄想です。星空を見あげて、 そこに「ぼくと母さんのうれしい墓標」を見いだすとき、そこには異常なまで息ぐ るしい不条理の世界が現出します。
選者の日記 ×月×日
・・・・・さんというかたから手紙をいただいた。
見知らぬ人なので不審に思って封を切ると・・さんは4月号の詩入選者宮内黙さんのお とうさんだという。そして宮内さんは上野市市民病院で死んだというのである。おとうさ んの手紙には「「星の歌』はあの子が最後に投稿した詩でした」と書いてあった。 ぼくは、いまさらながら、死の直前の宮内さんの詩の世界の透明さを借しまずにはいら れなかった。

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